2022年9月19日月曜日

サモアのオ・レ・アオ・オ・レ・マーローが再選

ラジオニュージーランドによると2022年8月、サモアの国家元首「オ・レ・アオ・オ・レ・マーロー」にトゥイマレアリイファノ・ヴァアレトア・スアラウヴィ2世(TUIMALEALI’IFANO Va'aletoa Sualauvi II, 1947年生)が再選した。
サモアの国家元首トゥイマレアリッイファノ・ヴァアレトア・スアラウヴィ2世の写真
2018年の写真
(パブリックドメイン)

国家元首の名称には「天皇」「王」「大統領」といったものがよく用いられるがサモアでは慣例的にサモア語による固有名詞オ・レ・アオ・オ・レ・マーローO le Ao o le Mālō)を使用している。

サモアの国家元首は世襲ではなく選挙制が採用されている。しかしながら、候補となる者には大首長(大酋長)と呼ばれる有力者(伝統的指導者)から選出されるのが不文律となっているようだ。任期は5年で再選可能である。

南太平洋の島国と聞くとのどかなイメージを持たれる方も多いと思うが、2021年のサモア政界は政治史にも残るであろうほどの混沌ぶりであった。総選挙の結果を巡って与野党両陣営が勝利を宣言し二重政府状態が続いいたのだ。議長は鍵を持ったまま失踪し、最終的には裁判所で決着が付いたとのこと。これには、英国式の法律とサモアの慣習法をごちゃ混ぜにした複雑な司法体系が原因の一つとして考えられるではないだろうか。

2021年の危機は何とか乗り越えたが、伝統的慣習をいかに改革してゆくのか、今後の国づくりに求められるだろう。

サモアの基礎情報

南太平洋、ポリネシア西端に浮かぶ人口20万人ほどの島国。1899年にドイツ帝国が西サモア、アメリカが東サモアを領有。西サモアは本記事で扱う「サモア独立国」で、東サモアは現在の「米領サモア準州」である。ニュージーランドによる委任統治を経て、1962年に独立。現在はイギリス連邦に加盟している。サモアは軍事組織を保有しておらず、有事の際は友好条約に基づきニュージーランドが支援する。






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